
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証2部上場企業のニチリン(5184)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
- 分散投資先を探している!
- ゴム製品セクターで高配当銘柄を探している!
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また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 12月 |
---|---|
設立 | 1924.3 |
上場 | 1997.1 |
特色 | 独立系自動車ホース大手。2輪車ブレーキホース高シェア。ホンダ主体。熱交換器(IHX)も |
連結事業 | 自動車ホース等100【海外】67 <20・12> |
業種名 | ゴム製品 |
本社 | 671-0224兵庫県姫路市別所町佐土1118 |
従業員 | <21.9>連2,290名 単368名(42.0歳)[年]606万円 |
株式 | 10/31 14,371千株 単位100株 [貸借][優待] 時価総額 256億円 |
東経業種別時価総額順位 | タイヤ・ゴム 時価総額順位 6/8社 |
マネックス証券「銘柄スカウター」から引用します.
ニチリン(5184)は自動車用ホースの専門メーカー.自動車用ホース(ブレーキ・カーエアコン・パワーステアリング用,4WS・ABS用),二輪車用ホース(ブレーキ・フューエル用),住宅設備用ホースのゴム製品を製造・販売.起業の源流は鈴木商店のゴム部門から独立,(旧)日輪ゴム工業.二輪車用ブレーキホースは国内トップ(約100%).北米・欧州・東南アジア・中国に生産拠点,グローバル顧客(ハーレー・ダビットソン,アウディ,GM、Ford)へ納入,海外売上は約60%.二輪用フューエルホース(燃料ホース),IHX(カーエアコン用内部熱交換器)の販売を推進.2015年GMにブレーキ用ホースの納入を開始.



取扱商品
- 自動車用ホース(制動系ホース/ブレーキホース,空調系ホース,操舵系ホース,油圧空圧系ホース)
- 二輪車用ホース(制動系ホース,油圧空圧系ホース,フューエルホース)
- 住宅設備関連ホース/給水給湯用ホース(混合水栓用ホース/水道用ホース,トイレ用ホース,散水用ホース)
- エアコン用内部熱交換器(IHX)
ちなみに私がニチリン(5184)を推したい理由の1つに,当企業が「健康経営優良法人2021(ホワイト500)」に認定されたことが挙げられます.
これは,社員の身体や精神における健康増進を企業が主体となって取り組んでいる企業に与えられる称号です.
会社の利益の源泉となる社員に対するケアは会社の成長に欠かせない要素なので,投資家から見ても印象が良いですね!
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
太陽鉱工 | 321(22.3) |
双日 | 114(7.9) |
日本カストディ信託口 | 73(5.0) |
BNPパリバ(Lux)J.FIMルクF.UCITS | 53(3.7) |
東京センチュリー | 47(3.3) |
ステート・ストリートB&T(OM02)505002 | 42(2.9) |
みずほ銀行 | 37(2.5) |
日本精化 | 28(1.9) |
日本カストディ信託口9 | 21(1.4) |
みずほ証券 | 19(1.3) |
持株数では「太陽鉱工」という会社がトップです.ほかには日本や海外の信託銀行や保険会社がランクインしていますね.
太陽鉱工との関係については,ニチリンのFAQに解答がありましたので引用します.
Q 筆頭株主の太陽鉱工株式会社とはどんな関係ですか。
A 当社は、大正当時、総合商社の源流ともいえる鈴木商店のゴム部門から独立いたしました。鈴木商店を源流に持つ代表企業をあげると、太陽鉱工株式会社、双日株式会社(旧日商岩井)、帝人株式会社、株式会社神戸製鋼所等があります。なかでも太陽鉱工株式会社は、鈴木商店の創始者の直系であります。その関係から当社の株式を所有されていますが、当社とは、主たる事業内容も異なり、取引関係もありませんので、当社の事業活動に制約を受けることはありません。
ニチリンHP- FAQ- ニチリンに関するご質問より
両社は同じ会社を源流として創業していることから株式を保有しているようですね.双日が持株数が2番手なのも同様の理由でしょう.
また投資のプロである機関投資家が多くランクインしていることから,市場から一定の評価を得ていると考えてよいでしょう.
会社業績に関して
売上高

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- 長期的に見て緩やかに右肩上がり
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- 長期的なトレンドは上昇傾向だがマイナスに転じた年度あり
- 直近3年のコロナショックによる下落から回復
- 下落した2020年12月期でも目安の100円オーバーで安心材料
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- 営業利益率は10%を超えていたが,最近は下降トレンド
- 目安の5%は超えており,ゴム製品の業界全体と比較して見ると平均点以上
- 事業形態を考えると利益率の大きな伸びは期待できないかも
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 目安の10%オーバーで優良銘柄
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は50%オーバー
- 有利子負債は低水準
- ネットD/Eレシオは△26.4%(2020年12月期)と実質無借金
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:設備投資「会社が成長し続けるために必要な設備に対する投資」
緑:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFはほぼ毎年きっちり黒字だが,ほぼ横ばいで推移
- 設備投資にしっかり資金を拠出
- ネットキャッシュは77億円,ネットキャッシュ比率は13%(2021年3月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2020年度の有価証券報告書に次のような記載があります.
当社は、将来にわたる株主利益の確保と必要な内部留保を行い、業績も勘しながら安定した配当を継続して実施することを基本方針としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの刺余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
業年度の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり45円の配当(うち中間配当15円)を実施することを決定しました。
内部留保につきましては、大規模災害やリコールのリスクの備え、およびグローバル化した自動車業界の多様なニーズや市場変化に対応するための商品開発、技術開発および生産体制の強化や、海外拠点の拡大・再編などを図るために有効投資してまいりたいと考えております。
当社は、「取締役会の決議により、毎年6月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
ニチリンHP- 有価証券報告書- 2021年3月期 有価証券報告書より
要するに「株主に積極的に還元する姿勢はあるよ,最低限の配当額とか配当性向の目標とか具体的な数字はださないけどね」ということです.
今後の業績によっては減配するリスクもあるので注意が必要ですね.
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
中間配当権利付最終日 | 2022年06月28日 |
---|---|
期末配当権利付最終日 | 2022年12月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
中間配当の権利落ち日 | 2022年06月29日 |
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期末配当の権利落ち日 | 2022年12月29日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
中間配当の権利確定日 | 2022年06月30日 |
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期末配当の権利確定日 | 2022年12月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 連続増配していたが2020年12月期に60円から45円に減配
- ただし2021年12月期の予想配当は78円と反発
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 近年のトレンドとしては配当利回り3%台へ増加傾向
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- キャッシュリッチなので,配当性向をもう少し上げてほしい
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年1月12日現在でPER 5.77倍,PBR 0.59倍,ミックス係数は3.40です.
過去10年間の推移の中でも割安な時期であり購入OKですね.
株主優待
優待の内容 | QUOカード |
---|---|
権利確定時 | 12 月31日 |
優待利回り | 0.62% |
投資は株主優待目当てではないので優待利回りに関わる部分のみ載せておきます.
詳細はこちらを参照してください.
株主優待を出すくらいならその分を配当金に回して欲しい…
総合評価
2020年12月期 | 値 | 目安 | 推移 |
売上高 | 51,505百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 281.17円 | – | ↗︎ |
営業利益率 | 10.78% | 10%以上 | ↗︎ |
ROE | 10.24% | 10%以上 | → |
自己資本比率 | 58.1% | 40%以上 | ↗︎ |
有利子負債比率 | 7.81% | 100%以下 | ↘︎ |
ネットD/Eレシオ | △26.4% | 低いほど○ | ↘︎ |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | 12.7%(7,658百万円) | 60%以上 | ↗︎ |
営業CF | 2,857百万円 | – | + |
一株配当 | 45円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 26.89% | 40%前後 | ↗︎ |
ここまでニチリン(5184)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務状況は着実に好転しており堅実な経営を目指している
- 景気敏感だが,長期的に見れば横ばい〜右肩上がり
- 事業の中心は自動車や二輪車用ホースで輸送用機器産業と一心同体
- 脱炭素化が進む自動車産業でも影響を受けにくい事業であり底堅い
これを踏まえて独断と偏見でニチリン(5184)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

ニチリン(5184)の株価と日経平均株価を比較したチャートです
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
ただ一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
ゴム製品セクターで銘柄をお探しの方はニチリン(5184)への投資を検討してみてください!
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