
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証1部上場企業の丸一鋼管(5463)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
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また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1947.12 |
上場 | 1962.3 |
特色 | 溶接鋼管で国内首位、建設関連に強み、海外展開積極的。自己株買い含め総還元率7割。好財務 |
連結事業 | 鋼管81、表面処理鋼板14、他5【海外】31 <21・3> |
業種名 | 鉄鋼 |
本社 | 542-0076大阪市中央区難波5-1-60なんばスカイオ |
従業員 | <21.9>連2,354名 単602名(39.8歳)[年]610万円 |
株式 | 10/31 94,000千株 単位100株 [貸借][優待] 時価総額 2,422億円 |
東経業種別時価総額順位 | 鉄鋼 時価総額順位 6/48社 |
マネックス証券「銘柄スカウター」から引用します.
丸一鋼管(5463)は独立系の鋼管メーカー(溶接鋼管の国内最大手).鋼管(構造用鋼管,建築構造用鋼管,機械・自動車構造用鋼管,農芸用鋼管,配管用鋼管),表面処理鋼板,特品(ポール)の製造・販売.外径8ミリの小径から508ミリの中径管,400ミリ角の建築用コラムなど多彩な品種を製造.主力製品は建築・土木用鋼管,パイプ製品.特品事業では照明柱・信号柱・標識柱の「マルイチポール」を供給.需要地生産・多種製品主義を基軸にグローバル展開.DX導入(スマート工場構築,製造・販売管理情報),オープンイノベーション,新領域への挑戦を推進.材料調達先はJFEスチール,神戸製鋼.2019年コベルコ鋼管を子会社化(現丸一ステンレス鋼管).

取扱商品
- 一般構造用鋼管(炭素鋼鋼管/丸パイプ,角形鋼管),建築構造用鋼管(マルイチコラム,冷間ロール成形角形鋼管,鋼管ぐい)
- 機械構造用鋼管(炭素鋼鋼管,角形鋼管),農芸用鋼管(グリーンハウス用)
- 配管用鋼管(炭素鋼鋼管,圧力配管用炭素鋼鋼管),鋼製電線管・電線管附属品.ケーブル保護用鋼管,テーパーポール「マルイチポール」
- 表面処理鋼板(マルイチAL-Z55,プレジンク,どぶ漬け亜鉛めっき)
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
自社(自己株口) | 1,198(12.7) |
日本マスター信託口 | 864(9.1) |
(株)ヨシムラホールディングス | 470(5.0) |
三井住友銀行 | 390(4.1) |
三菱UFJ銀行 | 388(4.1) |
日本カストディ信託口 | 372(3.9) |
日本カストディ信託口(JFEスチ) | 300(3.1) |
ノーザン・トラスト(AVFC)シルチェスターVET | 243(2.5) |
チャイナ・スチール・コーポレーション | 200(2.1) |
SSBTC・クライアント・オムニバス・アカウント | 162(1.7) |
株主では自社(自己株口)がトップです.ほかには日本や海外の信託銀行や保険会社がランクインしていますね.
投資のプロである機関投資家が多くランクインしていることから,市場から一定の評価を得ていると考えてよいでしょう.
ヨシムラホールディングスは丸一鋼管の代表取締役の吉村貴典氏の父吉村泰徳氏が社長を務める株式会社です.
大株主に自社や創業家がいるということは「我々の会社は今後大きな成長性がありますよ」というメッセージです.
会社業績に関して
売上高

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- 長期的に見てゆるやかに右肩上がり
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- 長期的なトレンドは上昇傾向で過去最高益を更新!
- 直近3年のコロナショックによる下落から反発
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- 営業利益率は10%前後でほぼ横ばい
- ただし直近5年では目安の5%は超えており,鉄鋼業全体では約50社中2位(2021年度)とトップ5入り!
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 目安の10%を下回っており懸念材料
- 自己資本比率が高すぎるのが原因の1つかも
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は80%オーバー
- 有利子負債は低水準
- ネットD/Eレシオは△27.8%(2021年3月期)と実質無借金
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFは毎年きっちり黒字だが概ね横ばいで推移
- ネットキャッシュは571億円,ネットキャッシュ比率は17%(2021年3月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2020年度の有価証券報告書に次のような記載があります.
株主に対する配当の重要性は従来から良く認識しており、収益に応じ、かつ安定的な配当を株主の皆様に行なう日的で業績に連動した配当を行う方針としており、具体的には「個別損益計算書におけるみなし当期利益(※)の50%相当を年間配当とする。ただし安定配当として最低限年間50円の配当金を維持する。」としております。(※)みなし当期利益:経常利益×(1ー実効税率)
また、当社では、期末配当の基準日を毎年3月31日とし、中詞配当の基準日を毎年9月30日とするとともに、必要に応じ基準日を定めて剰余金の配当をする旨を定数に定めておりますが、現時点では、配当の回数についての基本的な方針は、中間配当と期末配当の年2回といたしております。
(中略)
一方、自主独立の鋼管専業メーカーとして当社グループが発展成長を続けるためには、事業拡大を目的とした戦略的な投資と併せてメーカーとしての生産性の向上及び効率化による競争力の強化が永遠の課題であります。そのための生産設備や物流網の更新・拡充は必要不可欠で、競争力確保を目的とした投資も当社グループでは積極的かつ計画的に実施しております。こうした戦略的事業及び設備投資に備えるための内部留保もまた株主各位の永統的利益確保の上から極めて重要だと考えております。
丸一鋼管HP- 有価証券報告書・四半期報告書- 有価証券報告書-第87期より
要するに「最低限の配当額は保証しつつ,業績に連動してちゃんと増配も考慮しているよ」ということです.
毎年安定した配当が欲しいので,最低限の配当額を保証しているのは好印象です.
なお,「⑷次期の配当方針について」と題して次のようなことも記載されていました.
当社は、「個別損益計算書におけるみなし当期利益(※)の50%相当を年間配当とする。ただし安定配当として最低限年間80円の配当金を維持する。」を基本方針としております。(※)みなし当期利益:経常利益×(1ー実効税率)
丸一鋼管HP- 有価証券報告書・四半期報告書- 有価証券報告書-第87期より
最低限の配当額も50円から80円へと増配する方針となっており,嬉しい限りです!
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年3月29日 |
---|---|
中間配当金 | 2022年9月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
期末配当金 | 2022年3月30日 |
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中間配当金 | 2022年9月29日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年3月31日 |
---|---|
中間配当金 | 2022年9月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 直近5年の配当は80円前後で推移(2020年3月期は記念配当30円を含む)
- 2022年3月期の予想配当は80円と増配
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 配当利回り3%前後を堅調に維持し続けている
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- 配当性向は30〜50%台と成熟企業としてはちょうどよい水準
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年1月14日現在でPER 9.09倍,PBR 0.75倍でミックス係数は6.82です.
過去10年間の推移の中でも割安な時期であり購入OKですね.
株主優待
優待の内容 | おこめ券 |
---|---|
権利確定時 | 3月31日,9月30日 |
優待利回り | – |
投資は株主優待目当てではないので優待利回りに関わる部分のみ載せておきます.
詳細はこちらを参照してください.
「おこめ券なんて,米を家で炊かないし要らないなあ,何に使えるんだろう」と思って調べたら,米はもちろん,多くのドラッグストアでは米以外の商品にも使えるようです.
とはいえ使用場面が限られた商品券は不便だし,そもそも株主優待を出すくらいならその分を配当金に回して欲しい…
総合評価
2021年3月期 | 値 | 目安 | 推移 |
売上高 | 161,138百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 167.94円 | – | ↗︎ |
営業利益率 | 11.38% | 10%以上 | → |
ROE | 5.15% | 10%以上 | → |
自己資本比率 | 81.5% | 40%以上 | ↗︎ |
有利子負債比率 | 2.58% | 100%以下 | ↘︎ |
ネットD/Eレシオ | △27.8% | 低いほど○ | ↘︎ |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | 17.3%(57,148百万円) | 60%以上 | ↗︎ |
営業CF | 24,355百万円 | – | + |
一株配当 | 72.5円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 54.11% | 40%前後 | → |
ここまで丸一鋼管(5463)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務状況は好調で堅実な経営
- 業績やCFは長期的に見て右肩上がり
- 鋼管が事業の中心であり,製造業や建設業の土台となり安定した需要がある
- 業績は原材料費や鋼材価格に影響を受けやすい
これを踏まえて独断と偏見で丸一鋼管(5463)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

丸一鋼管(5463)の株価と日経平均株価を比較したチャートです
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
ただ一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
鉄鋼セクターで銘柄をお探しの方は丸一鋼管(5463)への投資を検討してみてください!
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