
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証1部上場企業の日特建設(1929)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
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また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1953.4 |
上場 | 1983.12 |
特色 | 基礎、地盤改良、法面など特殊土木大手。環境、防災工事に強み。麻生グループの傘下。好財務 |
連結事業 | 建設100 <21・3> |
業種名 | 建設業 |
本社 | 103-0004東京都中央区東日本橋3-10-6Daiwa東日本橋ビル |
従業員 | <21.9>連1,033名 単1,014名(45.1歳)[年]761万円 |
株式 | 10/31 41,708千株 単位100株 [貸借][優待] 時価総額 283億円 |
東経業種別時価総額順位 | 建設・土木 時価総額順位 44/121社 |
マネックス証券「銘柄スカウター」から引用します.
日特建設(1929)は特殊土木の建設会社,麻生グループ.ダム基礎工事業として創業,環境防災・維持補修(基礎工事、斜面対策工事、復旧・災害工事)・都市再生を柱に,ダム・河川・道路・上下水道・土地造成等の社会環境工事を展開.特殊土木分野(防災・減災、環境保全)のリーディングカンパニー.基礎技術を基盤に国内大ダム基礎工事,法面分野(斜面・のり面対策などの環境・防災技術),維持補修分野(既設構造物の補修・補強などの維持補修技術),地盤改良分野(地盤改良・薬液注入・杭基礎などの都市再生技術)で数多くの施工実績.ICT地盤改良では高圧噴射撹拌工事,機械撹拌工事,薬液注入工事で適用可能な高精度施工管理システムを開発.エーエヌホールディングス(麻生グループ)の子会社.

取扱商品
- 総合基礎工事(ダム本体,河川海岸,砂防,道路,上下水道,土地造成)
- 環境工事(斜面・のり面工事,のり面構造物の健全度調査,発生土・伐採木の有効利用,河川工事、緑化工事)
- 防災工事(補修・補強,地盤改良・薬液注入・杭基礎,液状化防止,泥土処理,耐震補強,岩盤斜面),地質コンサルタント
- 土木建築工事/維持補修(構築物・橋梁工事,ダム・河川工事,トンネル工事,橋梁工事,上下水道工事)
- 都市再生(地盤改良,杭基礎,液状化対策注入工事,防潮堤の耐震補強工事,堤防)
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
(株)エーエヌホールディングス | 2,415(57.9) |
日本マスター信託口 | 225(5.4) |
自社社員持株会 | 120(2.8) |
日本カストディ信託口 | 108(2.5) |
竹内理人 | 62(1.4) |
伴野富男 | 40(0.9) |
自社持株協力会 | 40(0.9) |
東京海上日動火災 | 34(0.8) |
三井住友信託銀行 | 32(0.7) |
BNY・GCMクライアントJPRDISGFEAC | 26(0.6) |
持株数では「エーエヌホールディングス」という会社がトップで,持株比率が50%を超えています.このエーエヌHDとはどんな会社なのでしょうか.
結論から言うとエーエヌHDは麻生グループの完全子会社のようです.
また麻生グループは福岡県飯塚市を拠点として建設や教育,医療,生活サービスなど幅広い分野で事業を行っている企業です.福岡県出身の方はご存知かもしれません.
特記すべきは麻生グループの会長は麻生巌氏(2021年現在)で,第92代内閣総理大臣である麻生太郎の弟に当たる点です.
このエーエヌHDにより2018年に株主公開買付が行われ,麻生グループの傘下(連結子会社)となっています.なお,エーエヌHDは株式上場していません.
昔から建設業と政治は切っても切り離せない関係があると言われていますが…この子会社化の真意は不明です.
いずれにせよ日特建設(1929)に巨大な後ろ盾があることは,業績安定には安心材料かもしれません.
会社業績に関して
売上高

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- 東日本大震災が起きた2011年以降,長期的に見て右肩上がり
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- 直前期まで右肩上がりのトレンドが2022年3月期に停滞し頭打ちかも
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- 営業利益率は5%前後でほぼ横ばい
- 建設・土木業界全体では約110社中31位(2021年度)と上位ランクイン
- 2008年に再建ファンドのフェニックスキャピタルの介入により,財務基盤を立て直した経緯あり
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 目安の10%オーバーで優良銘柄
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は50%オーバーで年々増加
- 有利子負債は低水準
- ネットD/Eレシオは△60.9%(2021年3月期)と実質無借金
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFが赤字になる年もあり懸念材料
- ネットキャッシュは175億円,ネットキャッシュ比率は33%(2021年3月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2021年度の有価証券報告書に次のような記載があります.
当社は、利益配分については、企業体質の強化や内部留保の充実による経営基盤の強化を図りながら株主への安定的な利益還元に努め、当期の業績や今後の経営環境などを勘案して決定することを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
内部留保資金については、経営基盤の強化並びに設備投資等に活用し、企業価値の向上に努めていく所存であります。
当社は、取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、会社法第454条第5項に定める中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
また、当社グループは、2020年5月8日に発表致しました中期経営計画2020 (2020年度〜2022年度)において、株主還元の目標として、配当性向40%以上としております。
日特建設HP- 有価証券報告書- 有価証券報告書-第74期より
配当性向に関しては40%以上と最低限の保証はありますが,配当金自体は業績によって変動するようです.
毎年の安定した配当を期待しすぎない方が良さそうです.
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年3月29日 |
---|---|
中間配当金 | 2022年9月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
期末配当金 | 2022年3月30日 |
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中間配当金 | 2022年9月29日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年3月31日 |
---|---|
中間配当金 | 2022年9月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 2020年3月期までは例年増配していたが,2021年3月期に一転して減配
- 2022年度3月期の予想配当は29円とさらに減配予定
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 減配したが依然として配当利回り4%台と高水準
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- 配当性向40%以上の保証はあるが,配当性向を一定に保とうとしていそう
- 業績が停滞しEPSがさらに下がれば減配する可能性は高い
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年1月14日現在でPER 9.34倍,PBR 0.96倍,ミックス係数は8.97です.
指標としては割安な時期ですが,過去10年間大きな変化はなく同じような水準で推移しており,市場から成長を期待されていない可能性があります.
株主優待
日特建設(1929)は株主優待を出していません.
優待目的で投資する個人投資家は多いですが,私は株主還元はすべて現金で貰いたい派なので逆に好印象です.
総合評価
2021年3月期 | 値 | 目安 | 推移 |
売上高 | 67,955百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 83.91円 | – | ↗︎ |
営業利益率 | 7.88% | 10%以上 | ↗︎ |
ROE | 12.23% | 10%以上 | ↘︎ |
自己資本比率 | 55.1% | 40%以上 | ↗︎ |
有利子負債比率 | 0.97% | 100%以下 | ↘︎ |
ネットD/Eレシオ | △60.9% | 低いほど○ | → |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | 33.6%(17,454百万円) | 60%以上 | ↗︎ |
営業CF | 1,426百万円 | – | + |
一株配当 | 36円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 42.89% | 40%前後 | ↗︎ |
ここまで日特建設(1929)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務状況は好転し堅実な経営へ
- CFや営業利益率は頭打ちかも
- 防災や復旧を目的とした特殊土木業が事業の中心であり,災害時の下げ相場にも強い
- 麻生グループ傘下は建設業にとってプラスに働きそう
これを踏まえて独断と偏見で日特建設(1929)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

日特建設(1929)の株価と日経平均株価を比較したチャートです
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
2011年の株価急騰は,東日本大震災からの復旧工事や防災意識の高まりによる防災工事の受注が増えたことに起因すると思われます.
一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
建設業セクターで銘柄をお探しの方は日特建設(1929)への投資を検討してみてください!
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