
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証1部上場企業のアルプス技研(4641)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
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また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 12月 |
---|---|
設立 | 1981.3 |
上場 | 1996.6 |
特色 | 正社員技術者の派遣大手。自動車、電機、電子分野の開発、設計、試作等に強み。職業紹介も |
連結事業 | アウトソーシングサービス97(10)、グローバル3(15) <20・12> |
業種名 | サービス業 |
本社 | 220-6218横浜市西区みなとみらい2-3-5 |
従業員 | <21.6>連5,592名 単4,270名(35.5歳)[年]494万円 |
株式 | 10/31 24,746千株 単位100株 [貸借][優待] 時価総額 487億円 |
東経業種別時価総額順位 | 他産業サービス・製品 時価総額順位 63/268社 |
アルプス技研(4641)は技術者派遣会社.アウトソーシング業務として自動車・半導体・精密機器・電気メーカーなど大手製造会社へ常用雇用型技術者「チームアルプス」によるグループ派遣と設計・開発工程の請負・受託.「ものづくりの上流工程」の開発設計業務に特化.アウトソーシング内容は自動車・機械・電気・情報処理分野の設計技術者派遣,技術プロジェクト受託,CADオペレーション等.取引先は上場・優良企業を中心に約700社.海外は中国・台湾・ミャンマーに拠点,グローバルエンジニアにより日系企業を中心にサポート.ロボット開発は日本総合研究所・慶応大学と研究開発.2016年パナR&Dを連結子会社化.2017年次世代農業ロボット「DONKEY」開発コンソーシアム参画.2021年介護事業に参入(アルプスケアハートを設立).主要取引先は東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ,キオクシア,三菱電機,ニコン,東京エレクトロン宮城,ソニーセミコンダクタ.
取扱商品
- エンジニア派遣(開発,設計,製造,評価,チーム派遣),技術領域(機械設計エンジニア,電気設計エンジニア,ソフト開発エンジニア,化学エンジニア)
- 派遣領域(自動車,ロボット,航空機,宇宙機器,船舶,デジタル家電,精密機器,通信機器,半導体・素材関連・アグリテック,産業用機器,医療機器,インフラ)
- 技術プロジェクト請負・受託開発(機械設計,電気設計,制御ソフト開発,製作,ものづくり/宇都宮テクノパーク・蓼科テクノパーク,評価,現地調整)
- 海外(エンジニアリングサービス,設計開発ソリューション提供,技術者育成サービス,プラント設備,機械・設備機器,保守)
企業の情報収集のためにアルプス技研について調べていたら,以下のようなサジェストを発見しました.

「アルプス技研 やばい」「アルプス技研 宗教」と不穏なサジェストが並びますね.
調べてみると箱根の研修施設で行われる5泊6日の新入社員研修が宗教団体の洗脳のようでやばいそうです.
社歌や社訓を徹底的に叩き込み会社への帰属意識を高めるために行なっているそうで,昭和を彷彿とさせる内容です.
また社員アンケートでは「業務後にプライベートの時間を削って本社に顔を出すような人間が評価されているように感じる」との声がありました.
社員を大切に扱わない会社に未来の成長はないと思っているので少し残念です.
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
自社(自己株口) | 425(17.1) |
日本マスター信託口 | 164(6.6) |
自社従業員持株会 | 155(6.2) |
日本カストディ信託口 | 93(3.7) |
公益財団法人とかち財団 | 74(3.0) |
東邦銀行 | 73(2.9) |
横浜銀行 | 72(2.9) |
八十二銀行 | 38(1.5) |
松井利夫 | 27(1.1) |
日本カストディ信託口5 | 26(1.0) |
持株数では自社がトップです.ほかには信託銀行や地方銀行といった機関投資家が並びます.
その中で個人的に気になったのは「公益財団法人とかち財団」という聞き馴染みのない財団です.
十勝地域の総合的な産業振興と活力ある地域社会の形成に資することを目的に、研究開発・技術支援施設「十勝産業振興センター」と「北海道立十勝圏地域食品加工技術センター」と「十勝事業創発支援センター『LAND』」を管理運営し、産業振興を行っている。
十勝財団- 沿革/概要より
農業を核とした地域産業支援をする組織として設置され十勝地域のモノづくり支援や地域経済の活性化に貢献しているそうです.
この組織の理事を松井利夫氏(アルプス技研創業者)が務めており,密接な利害関係がありそうです.
大株主として自社や自社従業員持株会がランクインしており,安定した株価や配当が期待できそうです.
会社業績に関して
売上高

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- 長期的に見てゆるやかに右肩上がり
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- 売上高と同様に長期的に見てゆるやかに右肩上がり
- 目安の100円オーバーで業績好調
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- リーマンショック後より上昇し営業利益率10%前後で安定
- サービス業界全体では約130社中23位(2021年度)と上位ランクイン
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 目安の10%を大きくオーバーしており超優良銘柄
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は60%前後
- 有利子負債比率は低水準
- ネットD/Eレシオは△58.4%(2020年12月期)と実質無借金
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:設備投資「会社が成長し続けるために必要な設備に対する投資」
緑:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFは毎年しっかり黒字で右肩上がり
- ネットキャッシュは68億円,ネットキャッシュ比率は33%(2020年12月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2020年度の有価証券報告書に次のような記載があります.
利益配分につきましては、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題の一つとして位置づけ、業績に応じた成果配分を目指すとともに、内部留保は、中長期的な企業価値の向上に資する教育及びシステム等の投資に活用してまいります。株主の皆様への配当は、配当財産の種類は金銭とし、連結ベースで配当性向50%を指標とする利益配分を行います。また、中間配当金につきましては、年間配当金の50%を目処といたします。さらに、安定的な配当の継続を目指して、業績にかかわらず1株当たり年10円(中間5円、期末5円)の配当を維持することを基本方針としております。
当期の年間配当金につきましては、1株当たり75円とし、すでに中間配当金として1当たり35円を実施していることから、期末配当金は1株当たり40円とすることを決定いたしました。この結果、当事業年度の配当性向は54.16%となりました。
剰余金の配当の決定機関は、期末配当金につきましては株主総会、中間配当金につきましては取締役会であります。当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
アルプス技研HP- 有価証券報告書- 第40期- 有価証券報告書より
最低限の配当額も目標とする配当性向も両方とも具体的に示しています.
特に「業績にかかわらず」という前提条件が嬉しいですね.「我々の会社は長期投資に向いてますよ〜」と教えてくれているようなものです.
それでも業績に無理して配当を出していないか配当性向などは注視する必要はあります.
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
中間配当金 | 2022年6月28日 |
---|---|
期末配当金 | 2022年12月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
中間配当金 | 2022年6月29日 |
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期末配当金 | 2022年12月29日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
中間配当金 | 2022年6月30日 |
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期末配当金 | 2022年12月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 最近10年間は一貫して増配
- 2021年12月期の予想配当は75円と維持
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 数年前と比較すると減少も配当利回り4%近くを維持
- 株高による利回り減少と考えて矛盾しない
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- 配当性向は目標値の50%をしっかり遵守
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年1月17日現在でPER 12.21倍,PBR 2.73倍,ミックス係数は33.33です.
指標の数値としてはかなり高めですが,過去3年間この水準で安定して推移していそうです.
株主優待
アルプス技研(4641)は株主優待を出していません.
優待目的で投資する個人投資家は多いですが,私は株主還元はすべて現金で貰いたい派なので逆に好印象です.
総合評価
2020年12月期 | 値 | 目安 | 推移 |
売上高 | 35,754百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 149.13円 | – | ↗︎ |
営業利益率 | 10.18% | 10%以上 | ↗︎ |
ROE | 23.99% | 10%以上 | ↗︎ |
自己資本比率 | 60.7% | 40%以上 | ↘︎ |
有利子負債比率 | 8.31% | 100%以下 | → |
ネットD/Eレシオ | △58.4% | 低いほど○ | ↘︎ |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | 32.5%(6,825百万円) | 60%以上 | → |
営業CF | 3,901百万円 | – | + |
一株配当 | 75円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 49.45% | 40%前後 | → |
ここまでアルプス技研(4641)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務はそこそこ堅調
- 業績は右肩がりで,営業利益率も高い
- コロナショックは人材派遣業界に大きな痛手
- 配当に関する目標を具体的な数字を提示し,連続増配を継続
これを踏まえて独断と偏見でアルプス技研(4641)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

アルプス技研(4641)の株価と日経平均株価を比較したチャートです.
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
ただ一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
サービス業セクターで銘柄をお探しの方はアルプス技研(4641)への投資を検討してみてください!
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