
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証1部上場企業の日比谷総合設備(1982)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
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また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1966.3 |
上場 | 1977.11 |
特色 | 空調主体の設備工事会社。NTTグループが最大顧客。情報通信向け床下空調システム等に強み |
連結事業 | 設備工事88(6)、設備機器販売9(4)、設備機器製造3(1) <21・3> |
業種名 | 建設業 |
本社 | 108-6312東京都港区三田3-5-27 |
従業員 | <21.9>連962名 単807名(45.2歳)[年]685万円 |
株式 | 10/31 25,006千株 単位100株 [貸借] 時価総額 464億円 |
東経業種別時価総額順位 | 設備工事 時価総額順位 18/47社 |
マネックス証券「銘柄スカウター」から引用します.
日比谷総合設備(1982)は空調主体のエンジニアリング会社.空気・水・光・情報の業務分野で設備工事事業(空気調和工事,給排水衛生工事,電気設備工事,情報通信技術生産設備工事,セキュリティ設備工事,保守管理)を営む.建物(オフィス,ホテル・リゾート,生産・物流施設,医療・福祉施設等)設備の企画から設計・施工・保守管理まで総合的なソリューションを提供.その他,設備機器販売,設備機器製造.データセンター・オフィス・生産物流施設などの企画・提案・設計・製造・施工に実績.天然ガスコージェネレーションシステム,低炭素・省エネルギー化(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)への取り組み,ICTを活用したEMS(エネルギー・マネジメント・システム)などの「スマートビジネス」や海外ビジネスに注力.主要取引先はNTTファシリティーズ,NTT西日本.竹中工務店.
取扱商品
- 空気調和設備工事(データセンター,オフィス,生産・物流施設,医療福祉施設,教育施設,ホテル)
- 設備工事(電気設備工事,通信設備工事,給排水・衛生設備工事,情報通信設備工事)
- データセンター(計測・診断,提案・設計,施工,施工後のサポート)
- リニューアル(相談,調査・診断,提案,設計,工事,維持管理,運営・運用支援)
- 環境エネルギー(エネルギー・マネジメント・システム,EIAサービス,ネット・ゼロ・エネルギー・ビル,太陽熱利用システム)
- システムインテグレーション(施設管理,中央監視装置,セキュリティ関連)
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
日本マスター信託口 | 256(10.2) |
自社取引先持株会 | 137(5.4) |
自社(自己株口) | 103(4.1) |
NTT都市開発 | 92(3.6) |
住友不動産 | 92(3.6) |
日本マスター信託口(百十四銀) | 90(3.5) |
自社従業員持株会 | 72(2.9) |
電気通信共済会 | 69(2.7) |
日本カストディ信託口 | 66(2.6) |
共立建設 | 59(2.3) |
持株数では日本マスター信託口がトップです.ほかには信託銀行や自社,持株会がランクインしています.
投資のプロである機関投資家が上位にランクインしていることから,市場から一定の評価を得ていると考えてよいでしょう.
またNTT都市開発や住友不動産は日比谷総合設備(1982)が手掛けた事業の取引先企業です.
自社や自社取引先・従業員持株会もランクインしており,安定した株価や配当が期待できそうです.
会社業績に関して
売上高

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- 2018年3月期の売上高の減少は「大型工事の翌期繰越のため減収」が理由とのこと
- それ以降はゆるやかに右肩上がり
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- 2018年3月期は売上高減少したが,原価縮減を徹底したためEPSは上昇
- 2019年3月期は利益率の低い大型新築工事が多く,資材や労働単価の上昇もありEPSは低下
- 手掛ける案件や景気に左右されるものの,最近はEPS 100円以上を維持できている
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- 営業利益率5%前後と低め
- 建設業全体では約160社中82位(2021年度)と中堅
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 目安の10%を下回っており懸念材料
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は70%前後
- 有利子負債比率はゼロ
- ネットD/Eレシオは△48.1%(2021年3月期)と実質無借金
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:設備投資「会社が成長し続けるために必要な設備に対する投資」
緑:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFが赤字の年度あり
- 現金等は300億円オーバーと増加傾向
- ネットキャッシュは344億円,ネットキャッシュ比率は40%(2021年3月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2021年度の有価証券報告書に次のような記載があります.
当社は、株主への利益還元を経営の重要課題と位置付け、より安定的な株主還元実施の観点から配当を実施しており、当期の期末配当金につきましては、1株につき40円となります。これにより既に実施しております中間配当の40円を含めた1株当たりの年間配当金は、前期と同様80円となります。
次期配当金につきましては、引き続き第7次中期経営計画の利益目標を基に、当期の80円と同様、1株につき中間・期末ともに40円、年間80円を予定しております。
また、自己株式の取得についても、株主還元の一環として機動的に実施する予定であります。
内部留保につきましては、将来の事業展開に備えて財務体質の安定性を確保するとともに、競争力強化のための研究・技術開発、人材育成、新たな事業領域の開拓等、将来の利益につながる投資に活用してまいります。
当社は取締役会の決議によって中間配当をすることができる旨定款に定めており、毎事業年度における剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回行うこととしております。なお、これらの剰余金の配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会であります。
日比谷総合設備HP- 有価証券報告書- 2021年3月期(第56期)有価証券報告書より
「安定的な株主還元実施」と抽象的な表現をしており,具体的な数字(配当下限や配当性向)を示してほしいですね.
今後の業績によっては減配するリスクもあるので注意が必要です.
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年3月29日 |
---|---|
中間配当金 | 2022年9月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
期末配当金 | 2022年3月30日 |
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中間配当金 | 2022年9月29日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年3月31日 |
---|---|
中間配当金 | 2022年9月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 非減配期間が長く積極的に還元している
- 2022年3月期の予想配当は80円と維持
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 配当利回り4%台と高水準
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- 配当性向60%オーバーまで上昇中
- 株主還元の意識が高いのは素晴らしいが,いつまで継続できるか
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年1月24日現在でPER 12.89倍,PBR 0.72倍,ミックス係数は9.28です.
過去10年間の推移の中でやや割安な時期であり購入してもよいタイミングですね.
株主優待
日比谷総合設備(1982)は株主優待を出していません.
優待目的で投資する個人投資家は多いですが,私は株主還元はすべて現金で貰いたい派なので逆に好印象です.
総合評価
2021年3月期 | 値 | 目安 | 推移 |
売上高 | 73,119百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 128.86円 | – | ↗︎ |
営業利益率 | 5.47% | 10%以上 | → |
ROE | 5.04% | 10%以上 | → |
自己資本比率 | 70.9% | 40%以上 | ↗︎ |
有利子負債比率 | 0% | 100%以下 | ↘︎ |
ネットD/Eレシオ | 48.1% | 低いほど○ | ↘︎ |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | 39.9%(34,384百万円) | 60%以上 | ↗︎ |
営業CF | 10,771百万円 | – | ± |
一株配当 | 80円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 62.54% | 40%前後 | ↗︎ |
ここまで日比谷総合設備(1982)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務状況はかなり堅実
- 利益率は高くないが業績はゆるやかに右肩上がり
- 大企業や官公庁を主な取引先相手としており業績は安定しやすい
これを踏まえて独断と偏見で日比谷総合設備(1982)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

日比谷総合設備(1982)の株価と日経平均株価を比較したチャートです
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
ただ一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
建設業セクターで銘柄をお探しの方は日比谷総合設備(1982)への投資を検討してみてください!
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