
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証1部上場企業の安田倉庫(9324)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
- 分散投資先を探している!
- 倉庫・運輸関連業セクターで高配当銘柄を探している!
- 優良高配当銘柄の探し方を知りたい!
また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1919.12 |
上場 | 1999.6 |
特色 | 旧財閥系の倉庫準大手。外資系の取り扱い多い。首都圏軸に事業展開し関西強い中央倉庫と提携 |
連結事業 | 物流87(8)、不動産13(32) <21・3> |
業種名 | 倉庫・運輸関連業 |
本社 | 108-8435東京都港区芝浦3-1-1田町ステーションタワーN |
従業員 | <21.9>連1,516名 単458名(40.3歳)[年]733万円 |
株式 | 10/31 30,360千株 単位100株 [優待] 時価総額 290億円 |
東経業種別時価総額順位 | 倉庫・運輸サービス 時価総額順位 23/52社 |
マネックス証券「銘柄スカウター」から引用します.
安田倉庫(9324)は創立100年の倉庫会社.首都圏・関西圏を中心に物流事業(倉庫・保管,陸上・港運・国際輸送,メディカル・IT機器物流,文書保管・情報管理)と不動産事業(オフィスビル・マンション開発・賃貸)を展開.首都圏・関西圏に物流拠点を配置,保管(在庫管理)から輸配送にいたる一連の物流サービス,精密機器のカスタマイズや事務プロセス効率化支援の流通加工,文書管理・引越などの総合物流サービスを提供.不動産事業は東京・横浜地区を中心に不動産開発・オフィス賃貸・住宅賃貸・再開発など.物流アウトソーシング業務の一括受託,倉庫拠点の拡大,メディカル分野(東京物流センター取得)の拡大に注力.2019年金沢市の大西運輸・オオニシ機工を子会社化.2020年OKIグループとメディカル物流サービスで業務提携.2021年RFルーカス(RFIDの位置特定特許保有)に出資,南信貨物自動車(松本市)を子会社化.
取扱商品
- 国内物流(倉庫ネットワーク,倉庫・物流センター,輸配送,サプライチェーン・ソリューション)
- メディカル物流(医薬品・医薬部外品,医療機器・試薬・診断薬,設備・保管管理,医薬品専用輸配送)
- ITキッティング(IT機器キッティングサービス,IT機器ライフサイクルサービス,サーバー製品移設サービス,IT機器保守物流サービス)
- 文書・情報管理・引越(文書保管・検索・電子化,引越ワンストップサービス)
- 海外・国際物流(国際輸送ネットワーク,国際海上輸送,通関業務,国際航空輸送,海外物流サービス,三国間輸送)
- 不動産(オフィス賃貸,住宅賃貸,駐車場,ホテル・商業施設,ビルメンテナンス)
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
損害保険ジャパン | 204(6.7) |
日本マスター信託口 | 187(6.1) |
明治安田生命保険 | 160(5.2) |
東京建物 | 160(5.2) |
自社(自己株口) | 125(4.1) |
みずほ銀行 | 125(4.1) |
大成建設 | 125(4.1) |
東京海上日動火災 | 112(3.6) |
安田不動産 | 102(3.3) |
中央倉庫 | 98(3.2) |
持株数では損害保険ジャパンがトップです.ほかには信託銀行や大手銀行,保険会社がランクインしています.
安田倉庫は旧安田財閥の事業の1つであり,損害保険ジャパン(旧安田火災)や明治安田生命(旧安田生命),みずほ銀行(旧安田銀行)などはすべて安田財閥系です.
また自社(自己株口)もランクインしており,安定した株価や配当が期待できる可能性が高いです.
会社業績に関して
営業収益

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- コロナショックの影響は小さく,営業収益は右肩上がり
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- 長期的に見て右肩上がり
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- 営業利益率10%前後だが長期的に見て右肩下がり
- 倉庫・運輸関連業界で約45社中11位(2021年度)と上位ランクイン
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 目安の10%を下回っており,懸念材料
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は50%台
- 有利子負債比率は50%台と若干高めだが,積極的な設備投資に伴うものであるので大きな問題はなし
- ネットD/Eレシオは46.3%(2021年3月期)と健全
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:設備投資「会社が成長し続けるために必要な設備に対する投資」
緑:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFは毎年しっかり黒字
- 設備投資への資金拠出は増加中
- ネットキャッシュは△35億円,ネットキャッシュ比率は△24%(2021年3月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2021年3月期の有価証券報告書に次のような記載があります.
当社は、倉庫業を中心とする物流事業及びオフィスビル賃貸を中心とする不動産事業を主な事業としており、両事業ともに相応の設備投資を要する事業であります。従いまして、当社では今後の事業展開に備えるため適正な利益配分を行うことを基本方針としており、剰余金の配当及び配当性向につきましては、安定的な水準を維持しつつ中長期的には高めてまいりたいと考えております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき1株当たり24円(内、中間配当9.5円)としております。
内部留保資金については、当社を取り巻く状況の変化に柔軟に対応すべく、物流施設、不動産施設の整備・拡充及び情報システムの開発等、事業基盤強化の原資として有効に活用するとともに、借入金の返済にも充当してまいりたいと考えております。
なお、当社は「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
安田倉庫HP- 有価証券報告書- 2021年3月期 有価証券報告書より
配当に関しては「安定的な水準を維持しつつ中長期的には高めてまいりたい」と抽象的な表現であり,具体的な数字(配当下限や目標配当性向)を示してほしいですね.
業績によっては減配・無配の可能性があるので注意が必要です.
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年03月29日 |
---|---|
中間配当金 | 2022年09月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
中間配当金 | 2022年03月30日 |
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期末配当金 | 2022年09月29日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
中間配当金 | 2022年03月31日 |
---|---|
期末配当金 | 2022年09月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 長期に渡り非減配が続いており,2019円3月期より増配へシフト
- 2022年3月期の予想配当は24円と維持!
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 配当利回り2%台と高配当銘柄には届いてない
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- 配当性向は20%前後とまだ出せそうな印象
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年1月31日現在でPER 10.68倍,PBR 0.36倍,ミックス係数は3.84です.
過去10年間の推移を見ると低下傾向にあり,市場から期待されず割安のまま放置されている可能性があります.
株主優待
「おこめ券なんて,米を家で炊かないし要らないなあ,何に使えるんだろう」と思って調べたら,米はもちろん,多くのドラッグストアでは米以外の商品にも使えるようです.
とはいえ使用場面が限られた商品券は不便だし,そもそも株主優待を出すくらいならその分を配当金に回して欲しい…
総合評価
2021年3月期 | 値 | 目安 | 推移 |
営業収益 | 47709百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 96.38円 | – | ↗︎ |
営業利益率 | 6.89% | 10%以上 | → |
ROE | 3.37% | 10%以上 | → |
自己資本比率 | 51.6% | 40%以上 | → |
有利子負債比率 | 57.1% | 100%以下 | ↗︎ |
ネットD/Eレシオ | 46.3% | 低いほど○ | ↗︎ |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | △23.9%(△35,180百万円) | 60%以上 | ↗︎ |
営業CF | 3,943百万円 | – | + |
一株配当 | 24円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 24.94% | 40%前後 | → |
ここまで安田倉庫(9324)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務状況はそこそこ堅実
- 業績は右肩上がりでコロナショックの影響は小さい
- 倉庫業だけでなく物流全般に関わっており,コロナショックに伴うEC拡大で成長中
- 医薬品やIT機器などの特殊な取り扱いが必要な製品に関する物流に強みがある
これを踏まえて独断と偏見で安田倉庫(9324)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

安田倉庫(9324)の株価と日経平均株価を比較したチャートです.
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
ただ一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
倉庫・運輸関連業セクターで銘柄をお探しの方は安田倉庫(9324)への投資を検討してみてください!
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