
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証1部上場企業の杉本商事(9932)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
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また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1938.1 |
上場 | 1992.11 |
特色 | 機械・工具商社の大手。測定器具関連で高シェア。工作用器具、空油圧器具も販売。財務堅実 |
連結事業 | 測定工具23、工作用器具6、機械工具33、空圧・油圧器具22、他16 <21・3> |
業種名 | 卸売業 |
本社 | 550-8502大阪市西区立売堀5-7-27 |
従業員 | <21.9>連571名 単459名(38.8歳)[年]574万円 |
株式 | 10/31 11,399千株 単位100株 [優待] 時価総額 262億円 |
東経業種別時価総額順位 | 産業機械 時価総額順位 55/134社 |
マネックス証券「銘柄スカウター」から引用します.
杉本商事(9932)は測定器具・機械工具の老舗商社.東北から九州まで国内49拠点ネットワークにより測定器具・工作用器具・機械工具・電動工具・工作機械・油圧空圧機器等(100万点以上,取扱メーカー900社)を取扱う.営業所単位による独立採算と経営判断,業績評価・検討など地域性を重視したビジネスを展開.測定機器・工具の販売実績は業界トップクラス.関西中心の機械工具卸スギモト(連結子会社)と営業基盤を強化.2019年日本電産シンポから計測器販売事業を譲受.
取扱商品
- 測定機器(測定機器・工具,計量計測機器,科学機器,光学・科学機器)
- 機械工具(切削工具,電動・空圧・油圧工具,作業工具)
- 産業機器(工作機械,荷役・運搬機器,油圧・空圧機器,伝導機器,管工機材,磁石・鋲螺・ケミカル商品,OA機器,工作用機器・治具)
- 環境関連製品(検知器,分析計,計測器,環境・測量機器)
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
自社(自己株口) | 132(11.5) |
日本マスター信託口 | 115(10.1) |
杉本正広 | 53(4.6) |
日本カストディ信託口 | 31(2.7) |
杉本利夫 | 26(2.3) |
杉本直広 | 25(2.2) |
杉本栄作 | 23(2.0) |
自社従業員持株会 | 21(1.8) |
愛知銀行 | 19(1.7) |
畑井三雄 | 16(1.4) |
持株数では自社(自己株口)がトップです.
また創業家や自社従業員持株会がランクインしており,安定した株価や配当が期待できる可能性が高いです.
会社業績に関して
売上高

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- リーマンショック後からゆるやかに右肩上がり
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- 基本的には売上高と同じような推移
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- 営業利益率6%前後と低め
- 医療機器業界で約130社中49位(2021年度)とやや上位ランクイン
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 長期的に渡り目安の10%を下回っており,懸念材料
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は80%以上
- 有利子負債比率はゼロ
- ネットD/Eレシオは△29.4%(2021年3月期)と実質無借金
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:設備投資「会社が成長し続けるために必要な設備に対する投資」
緑:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFはしっかり黒字
- ネットキャッシュは93億円,ネットキャッシュ比率は25%(2021年3月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2021年3月期の有価証券報告書に次のような記載があります.
当社は、堅実な財務体質と安定した経営基盤を誇りとしており、配当政策を経営における最重要政策のひとつと位置付けております。株主各位には、継続的かつ安定的な配当を念頭に置きながら、財政状態、利益水準、および配当性向等を総合的に勘案して適正な利益還元を目標としております。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
当該事業年度の剰余金の配当につきましては、配当性向30%以上を公約しており、1株につき60円(内創業100周年記念配当30円)とさせていただきます。なお、中間配当金1株につき30円を実施いたしておりますので、当期の年間配当金は1株につき90円となります。
この結果、当期の配当性向(連結)は54.8%、株主資本配当率(連結)は3.0%となります。
内部留保資金の使途につきましては、営業力の強化のための設備投資や、M&A・EOSを媒体としたWEBマーケットへの進出等新規事業戦略、市場ニーズに応えるべく商品開拓に有効投資をしていくこととしております。
杉本商事HP- 有価証券報告書- 2021年3月期 有価証券報告書より
「継続的かつ安定的な配当」と抽象的な表現をしており,具体的な数字(配当下限や目標配当性向)を示していません.
とはいえ「配当政策を経営における最重要政策」と位置付けており,減配・無配の可能性は低いと期待したいです.
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年03月29日 |
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中間配当金 | 2022年09月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
中間配当金 | 2022年03月30日 |
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期末配当金 | 2022年09月28日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
中間配当金 | 2022年03月31日 |
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期末配当金 | 2022年09月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 近年は連続増配が続いていた
- 2021年3月期は創業100周年記念配当30円を含んでおり,普通配当は60円と減配
- 2022年3月期の予想配当は60円と前期の水準を維持
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 減配により配当利回りも3%を下回ってしまった
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- 配当性向30〜40%と成熟企業として適切な水準
- 財務状況は現実なので,配当をもう少し出してほしいかも
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年1月27日現在でPER 12.55倍,PBR 0.68倍,ミックス係数は8.53です.
数値としては割安ですが過去10年間の推移では割高な水準であり,購入してよいかどうかの判断が難しいです.
株主優待
株主優待が図書カードって,これを貰って喜ぶのは学生くらいかと思うんですが…
このような株主優待は早急に廃止して,その分を配当金に回してほしいですね.
総合評価
2021年3月期 | 値 | 目安 | 推移 |
売上高 | 40,365百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 164.32円 | 100円 | ↗︎ |
営業利益率 | 5.02% | 5%以上 | → |
ROE | 5.42% | 10%以上 | → |
自己資本比率 | 84.4% | 40%以上 | ↗︎ |
有利子負債比率 | 0% | 100%以下 | ↘︎ |
ネットD/Eレシオ | △29.4% | 低いほど○ | ↘︎ |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | 24.5%(9,279百万円) | 60%以上 | → |
営業CF | 3,326百万円 | – | + |
一株配当 | 90円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 42.9% | 40%前後 | ↗︎ |
ここまで杉本商事(9932)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務状況は現実で実質的な無借金経営
- コロナショックで一旦停滞するも業績はゆるやかに右肩上がり
- 創業90年以上の老舗企業であり,国内の取引先が多いため需要はある程度安定している
- 一方で事業形態は長年変化がなく,成長性はあまり望めない
これを踏まえて独断と偏見で杉本商事(9932)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

杉本商事(9932)の株価と日経平均株価を比較したチャートです.
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
ただ一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
卸売業セクターで銘柄をお探しの方は杉本商事(9932)への投資を検討してみてください!
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