
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証1部上場企業のヒップ(2136)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
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また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1995.9 |
上場 | 2006.12 |
特色 | 開発系技術者派遣の中堅。自動車軸に電子、ソフトウェアの開発設計が主。治験業務支援撤退 |
連結事業 | 輸送用機器36、電気電子機器・半導体12、情報通信・精密機器20、機械関連12、情報処理・ソフトウエア20 <21・3> |
業種名 | サービス業 |
本社 | 220-0003横浜市西区楠町8-8 |
従業員 | <21.9> 818名(36.5歳)[年]442万円 |
株式 | 10/31 3,975千株 単位100株 時価総額 29.6億円 |
東経業種別時価総額順位 | 他産業サービス・製品 時価総額順位 229/268社 |
マネックス証券「銘柄スカウター」から引用します.
ヒップ(2136)は技術者派遣会社.大手メーカーを中心に顧客企業の開発パートナーとして機械設計・電子設計・ソフト開発の技術サービスを提供するアウトソーシング事業(技術者派遣、業務請負)を営む.輸送機器・情報通信・精密機器・機械(製品設計,精密機器設計,自動車・航空機部品設計),エレクトロニクス(電気電子機器・半導体,デジタル回路・電子デバイス)分野が中心,エンベデッドシステム,SIソリューションなどのIT化の受託開発も行う.自動車・医療機器分野の設計開発に豊富な実績.2013年SMOのコスメックスを子会社化(2017年売却,アウトソーシング事業に経営資源を集中).主要取引先はデンソーテクノ,トヨタ自動車,三菱電機エンジニアリング,いすゞ自動車,Sky.
取扱商品
- 技術者派遣/開発フェーズ(技術・企画・開発,機械設計・電子設計・ソフト開発,試作)
- 技術派遣分野(輸送用機器,電気電子機器・半導体,情報通信・精密機器,機械、情報処理・ソフトウェア)
- 受託開発/請負契約(機械設計開発/自動車・自動車部品・液晶TV・半導体製造装置,ソフトウェア開発/通信制御・画像処理・組込ソフト,電気・電子設計開発/電子回路)
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
(株)ベストプランニング | 81(20.3) |
田中吉武 | 64(16.3) |
自社従業員持株会 | 38(9.7) |
田中佐津枝 | 9(2.3) |
MSIPクライアントセキュリティーズ | 9(2.2) |
岩崎篤二 | 6(1.5) |
岡田健樹朗 | 6(1.5) |
日本証券金融 | 5(1.4) |
神奈川銀行 | 4(1.1) |
横浜銀行 | 4(1.1) |
持株数では(株)ベストプランニングがトップです.
(株)ベストプランニングは田中吉武氏(ヒップ(2136)代表取締役社長)が代表を務める有価証券の保有や運用を行う会社です.
つまり創業家の持株比率は40%近くあることが分かります.適正な持株比率は10〜20%と言われているので,保有しすぎな気がします.
創業家の適正な持株比率に関しては,こちらのページの「大株主の属性とその構成比」の項目に記載していますので,参考にしてみてください.

会社業績に関して
売上高

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- リーマンショック後からゆるやかに右肩上がりで,コロナショックの影響は小さい
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- 売上高と同じようにゆるやかに右肩上がりだが,コロナショックで一時停滞
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- 営業利益率10%前後
- 他産業・サービス業界で約150社中67位(2021年度)とやや上位ランクイン
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 目安の10%前後であり優良銘柄
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は60%近くまで上昇
- 有利子負債比率はやや低水準
- ネットD/Eレシオは△70.5%(2021年3月期)と実質無借金
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:設備投資「会社が成長し続けるために必要な設備に対する投資」
緑:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFがきっちり黒字
- ネットキャッシュは22億円,ネットキャッシュ比率は42%(2021年3月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2021年3月期の有価証券報告書に次のような記載があります.
当社は、利益配分の基本方針として、株主に安定的な利益還元を継続して実施していくとともに、将来の事業展開と経営体質及び財務体質の強化のために内部留保の充実を図ることが重要であると考えております。
当社の剰余金の配当は、年1回の期末配当を基本的な方針としており、期末配当の決定機関は株主総会であります。
当期の剰余金の配当につきましては、継続的な安定配当の基本方針のもとに、令和3年6月29日の定時株主総会により、配当金の総額の119,256,030円、1株当たり30円を実施することといたしました。
当期の内部留保金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズに応える技術力の強化や高齢化対策、ひいては当社の永続的成長を図るために活用してまいりたいと考えております。
なお、当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対し、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当をすることができる。」旨、定款で定めております。
ヒップHP- 有価証券報告書- 2021年3月期 有価証券報告書より
「株主に安定的な利益還元を継続して実施」と抽象的な表現をしており,具体的な数字(配当下限や目標配当性向)を示していません.
業績によっては減配・無配の可能性もあり注意が必要ですね.
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年03月29日 |
---|---|
中間配当金 | 2022年09月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
中間配当金 | 2022年03月30日 |
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期末配当金 | 2022年09月29日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
中間配当金 | 2022年03月31日 |
---|---|
期末配当金 | 2022年09月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 連続非減配を継続中(2016年3月期は記念配当3円を含む)
- 2022年3月期の予想配当は30円と維持
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 配当利回り4%台まで上昇傾向
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- 配当性向は40%台と増配しても適切な水準
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年2月3日現在でPER 10.01倍,PBR 0.92倍,ミックス係数は9.21です.
過去10年間の推移を見ると割安な水準であり,購入OKなタイミングですね.
株主優待
ヒップ(2136)は株主優待を出していません.
優待目的で投資する個人投資家は多いですが,私は株主還元はすべて現金で貰いたい派なので逆に好印象です.
総合評価
2021年3月期 | 値 | 目安 | 推移 |
売上高 | 5,006百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 91.63円 | – | ↗︎ |
営業利益率 | 5.16% | 10%以上 | ↗︎ |
ROE | 11.87% | 10%以上 | → |
自己資本比率 | 59.9% | 40%以上 | ↗︎ |
有利子負債比率 | 21.18% | 100%以下 | ↘︎ |
ネットD/Eレシオ | △70.5% | 低いほど○ | ↘︎ |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | 42.2%(2,162百万円) | 60%以上 | ↗︎ |
営業CF | 367百万円 | – | + |
一株配当 | 30円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 26.19% | 40%前後 | → |
ここまでヒップ(2136)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務状況は堅実で実質的な無借金経営
- 業績は右肩上がりで経営も好調
- 派遣事業のため景気に左右されやすいものの,技術者派遣のためニーズは高い
- 主な取引先が自動車等の製造業のため,ある程度安定した地盤あり
これを踏まえて独断と偏見でヒップ(2136)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

ヒップ(2136)の株価と日経平均株価を比較したチャートです.
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
ただ一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
サービス業セクターで銘柄をお探しの方はヒップ(2136)への投資を検討してみてください!
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