
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証1部上場企業のOBARA GRUOP(6877)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
- 分散投資先を探している!
- 電気機器セクターで高配当銘柄を探している!
- 優良高配当銘柄の探し方を知りたい!
また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 9月 |
---|---|
設立 | 1958.12 |
上場 | 1998.6 |
特色 | 自動車向け溶接機器の大手。消耗品販売兼営で強み発揮。各種半導体向け等平面研磨装置も展開 |
連結事業 | 溶接機器関連59(17)、平面研磨装置関連41(15)【海外】68 <21・9> |
業種名 | 電気機器 |
本社 | 242-0007神奈川県大和市中央林間3-2-10中央林間アネックス |
従業員 | <21.9>連1,704名 子169名(47.9歳)[年]656万円 |
株式 | 10/31 20,869千株 単位100株 [貸借] 時価総額 731億円 |
東経業種別時価総額順位 | 自動車部品 時価総額順位 26/124社 |
マネックス証券「銘柄スカウター」から引用します.
OBARA GRUOP(6877)は溶接機器の大手メーカー.溶接機器(抵抗溶接機器/自動車ボディ製造向け,アーク溶接機器/造船・建設業界向け),平面研磨装置(片面・両面・端面研磨装置),洗浄装置・レーザ装置の製造・販売.溶接機器は自動車ボディー溶接向け,研磨装置はエレクトロニクス業界のシリコンウェハー・水晶・ガラスディスク向けが中心.溶接機器では抵抗溶接ロボットガン(ブラケット回転機構搭載型,トランス極性反転機構搭載型),研磨装置では超平坦化装置・新型両面研磨装置・新型洗浄装置の開発を推進.アジア市場を中心に海外売上高比率は約80%.2017年シリコシリコンウェハー向けを中心とした精密洗浄機器製造販売のプレテックを子会社化.
取扱商品
- 抵抗溶接機器(ガン,タイマー,トランス,電極,ケーブル,ドレッサー,チェンジャー)
- アーク溶接機器(半自動トーチ,自動トーチ,ロボットトーチ,フレコンケーブル,延長ケーブル),レーザ装置(YAGレーザ装置,光学系ユニット)
- 研磨装置(平面研磨装置,両面研磨装置,端面研磨装置/エッジポリッシャー,ドライエッチャー装置,エッジグラインダ,エッジプロファイラ,ソータ)
- 洗浄装置(メモリーディスク,フラットパネルディスプレー基板,光学・電子部品)
- 消耗副資材(加工キャリア,スラリー,研磨材,研磨パッド,加工定盤)
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
自社(自己株口) | 484(23.2) |
(有)馬込興産 | 370(17.7) |
小原康嗣 | 257(12.3) |
日本マスター信託口 | 159(7.6) |
日本カストディ信託口9 | 77(3.7) |
日本カストディ信託口 | 75(3.6) |
JPモルガン・チェース・バンク385632 | 64(3.0) |
JPモルガン・バンク・ルクセンブルグ381572 | 55(2.6) |
小原範子 | 30(1.4) |
三菱UFJ銀行 | 30(1.4) |
持株数では自社(自己株口)がトップです.ほかには日本や海外の信託銀行がランクインしています.
投資のプロである機関投資家の持株比率が高いことから市場から一定の評価を得ていると考えられます.
特筆すべきは創業家である小原康嗣氏や小原範子氏,また創業家の資産管理会社である(有)馬込興産を合計すると持株比率は30%を超えます.
創業家の適切な持株比率は10〜20%と言われており,少し保有しすぎな印象があります.
不健全なワンマン経営になっていないかチェックする必要がありますね.
また自社(自己株口)や創業家が大株主であり長期に渡り業績も好調を維持しようとすると考えられます.
会社業績に関して
売上高

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- リーマンショック後からゆるやかに右肩上がり
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- 売上高と同じようにゆるやかに右肩上がりだが,コロナショックで一時停滞
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- 営業利益率15%前後
- 自動車部品業界で約120社中3位(2021年度)とトップ5入り!
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 目安の10%前後であり優良銘柄
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は70%近くまで上昇
- 有利子負債比率は低水準
- ネットD/Eレシオは△36.5%(2021年9月期)と実質無借金
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:設備投資「会社が成長し続けるために必要な設備に対する投資」
緑:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFがきっちり黒字
- ネットキャッシュは137億円,ネットキャッシュ比率は17%(2021年9月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2021年9月期の有価証券報告書に次のような記載があります.
当社の利益配分に関する基本方針は、株主に対する利益還元を経営上の重要政策として認識し、業績の状況、グループを取り巻く環境並びに中長期的な財務体質の強化策を勘案して、配当及び機動的な自己株式の取得等を通じ、 継続的かつ安定的に実施していく方針です。内部留保に関しましては、戦略的かつ機動的な設備投資・研究開発投資が、持続的な事業発展のためには重要と捉えており、適正水準の内部留保の維持が必要と考えております。
当期の利益配分につきましては、1株当たり期末配当金を70円とし、年間配当金を110円(うち第2四半期末配当40円)としております。
なお、当社は、会社法第454条第5項に規定する第2四半期末配当(中間配当)を行うことができる旨を定款に定めており、剰余金の配当は第2四半期末配当(中間配当)及び期末配当の年2回を基本としておりますが、配当の決定機関は、第2四半期末配当(中間配当)は取締役会、期末配当は株主総会であります。
OBARA GROUP HP- 有価証券報告書- 2021年9月期 有価証券報告書より
「配当及び機動的な自己株式の取得等を通じ、 継続的かつ安定的に実施していく」と抽象的な表現をしており,具体的な数字(配当下限や目標配当性向)を示していません.
決算説明会資料にも配当に関する記載がなく,業績によっては減配・無配の可能性もあり注意が必要ですね.
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年03月29日 |
---|---|
中間配当金 | 2022年09月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
中間配当金 | 2022年03月30日 |
---|---|
期末配当金 | 2022年09月29日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
中間配当金 | 2022年03月31日 |
---|---|
期末配当金 | 2022年09月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 連続非減配が継続している(2015年9月期は記念配当10円を含む)
- 2022年9月期の予想配当は110円と維持
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 配当利回り3%まで上昇
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- 配当性向は30%台であり,成熟企業として適切な水準
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年2月4日現在でPER 9.75倍,PBR 0.96倍,ミックス係数は9.36です.
過去10年間の推移を見ると割安な水準であり,購入OKなタイミングですね.
株主優待
OBARA GRUOP(6877)は株主優待を出していません.
優待目的で投資する個人投資家は多いですが,私は株主還元はすべて現金で貰いたい派なので逆に好印象です.
総合評価
2021年9月期 | 値 | 目安 | 推移 |
売上高 | 45,475百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 365.69円 | – | ↗︎ |
営業利益率 | 16.1% | 10%以上 | → |
ROE | 11.08% | 10%以上 | ↘︎ |
自己資本比率 | 69.0% | 40%以上 | ↗︎ |
有利子負債比率 | 1.47% | 100%以下 | ↘︎ |
ネットD/Eレシオ | △36.5% | 低いほど○ | ↘︎ |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | 17.4%(13,675百万円) | 60%以上 | ↗︎ |
営業CF | 9,881百万円 | – | + |
一株配当 | 110円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 30.67% | 40%前後 | ↗︎ |
ここまでOBARA GRUOP(6877)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務状況は堅実で実質的な無借金経営
- 業績はゆるやかに右肩上がりで収益効率の良い事業を展開
- 自動車向け抵抗溶接機器というニッチな業界でトップシェア
- 自動車業界の景気動向に左右されるので業績の振れ幅が大きい
これを踏まえて独断と偏見でOBARA GRUOP(6877)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

OBARA GRUOP(6877)の株価と日経平均株価を比較したチャートです.
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
ただ一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
電気機器セクターで銘柄をお探しの方はOBARA GRUOP(6877)への投資を検討してみてください!
コメント