
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証1部上場企業の日東富士製粉(2003)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
- 分散投資先を探している!
- 食料品セクターで高配当銘柄を探している!
- 優良高配当銘柄の探し方を知りたい!
また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1914.3 |
上場 | 1949.5 |
特色 | 製粉準大手。三菱商事傘下で連携推進。『ケンタッキーフライドチキン』など外食FCも展開 |
連結事業 | 製粉・食品84(9)、外食16(3)、運送0(8) <21・3> |
業種名 | 食料品 |
本社 | 104-0033東京都中央区新川1-3-17 |
従業員 | <21.3>連794名 単380名(43.3歳)[年]633万円 |
株式 | 10/31 9,384千株 単位100株 時価総額 326億円 |
東経業種別時価総額順位 | 食品 時価総額順位 63/171社 |
マネックス証券「銘柄スカウター」から引用します.
日東富士製粉(2003)は製粉原料加工メーカー,国内4位,三菱商事の子会社.小麦・その他農産物を原料に業務用製粉製品(小麦粉・ふすま・プレミックス粉・冷凍生地),家庭用食品(小麦粉製品・乾麺)の製造・販売。日清製粉,ニップン,昭和産業に次ぐ4位の製粉会社.三菱商事を経由して食品メーカー・外食チェーン・ベーカリー等へ供給.海外日系冷凍食品メーカー(アジア地域への製造拠点移転)への対応に注力.その他,ケンタッキーフライドチキン(トップフランチャイジー)や牛角等のフランチャイジー店舗運営.2006年日東製粉と富士製粉が合併.2009年増田製粉所と業務提携(2018年TOBにより増田製粉所を完全子会社化).2012年水産飼料事業を日本農産工業に譲渡.主要取引先は三菱商事.
取扱商品
- 業務用小麦粉(製パン用粉,製菓用粉,中華麺用粉,日本麺用粉,パスタ用粉,特殊用粉)
- 業務用ミックス粉(製パン・製菓用,スナック用,惣菜用)
- 業務用冷凍生地(冷凍ピザ生地,冷凍マフィン生地)
- 家庭用小麦粉製品(アルプス小麦粉,全粒小麦粉,ホットケーキハイミックス,むしパンミックス,七福神小麦粉,もちもちなめらかすいとん粉)
- 外食店舗(FC運営/ケンタッキーフライドチキン)
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
三菱商事 | 295(62.9) |
日本マスター信託口 | 17(3.7) |
自社(自己株口) | 13(2.9) |
山崎製パン | 6(1.3) |
ステート・ストリートB&T(OM02)505002 | 5(1.2) |
自社従業員持株会 | 5(1.1) |
日清食品HLD | 5(1.1) |
古庄政文 | 5(1.0) |
日本カストディ信託口 | 4(0.9) |
DFAInt’lスモールキャップバリュP | 3(0.7) |
持株数では三菱商事がトップです.ほかには大手信託銀行がランクインしています.
自社(自己株口)が大株主であり長期に渡り業績も好調を維持しようとすると考えられます.
また自社従業員持株会がランクインしており,安定した株価や配当が期待できる可能性が高いです.
会社業績に関して
売上高

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- リーマンショック後からゆるやかに右肩上がりで,コロナショックの影響は小さい
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- 売上高と同じようにゆるやかに右肩上がり
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- 営業利益率10%目前まで迫る
- 食品業界で約160社中21位(2021年度)と上位ランクイン
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 目安の10%前後であり優良銘柄
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は70%近くまで上昇
- 有利子負債比率はかなり低水準
- ネットD/Eレシオは△1.7%(2021年3月期)と実質無借金
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:設備投資「会社が成長し続けるために必要な設備に対する投資」
緑:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFはきっちり黒字
- ネットキャッシュは99億円,ネットキャッシュ比率は19%(2021年3月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2021年3月期の有価証券報告書に次のような記載があります.
当社は、配当につきましては株主の皆様への利益還元を重要課題の一つとして認識しております。各事業年度の業績の状況と将来の事業展開を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当の実施を基本としつつも、連結べースの配当性向30%以上をもうーつの基準とし、株主の皆様のご期待にこたえて参りたいと考えております。また、引続き、研究開発や製造設備の増強、販売・物流体制の強化など将来の事業展開に必要な資金需要に備えるために内部留保の充実に努めることにしております。
また、剰余金の配当等の決定機関は、2018年6月28日開催の第121回定時株主総会において、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会決議により定めることができる旨の定款変更を決議しております。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、期末配当金は普通配当を1株当たり118円とし、中間配当金(114円)とあわせて年間232円としております。
日東富士製粉HP- 有価証券報告書- 有価証券報告書-第123期より
「安定的かつ継続的な配当の実施」「連結ベースの配当性向30%以上」と具体的な数値を示していますが,業績によっては減配の可能性があるため注意が必要です.
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年03月29日 |
---|---|
中間配当金 | 2022年09月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
中間配当金 | 2022年03月30日 |
---|---|
期末配当金 | 2022年09月29日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
中間配当金 | 2022年03月31日 |
---|---|
期末配当金 | 2022年09月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 連続非減配を続けている(2014年3月期は記念配当3円を含む)
- 2022年3月期の予想配当は154円と増配
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 株価の上昇に伴い配当利回り2%台まで下落したが,来期は増配予想
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- 配当性向は30%台と目標水準を維持している
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年2月21日現在でPER 11.06倍,PBR 0.94倍,ミックス係数は10.40です.
指標としてはまだ割安ですが過去10年間の推移を見ると割高です.
これは市場から成長を期待されているという見方もでき,購入してもよいタイミングかもしれません.
株主優待
日東富士製粉(2003)は株主優待を出していません.
優待目的で投資する個人投資家は多いですが,私は株主還元はすべて現金で貰いたい派なので逆に好印象です.
総合評価
2021年3月期 | 値 | 目安 | 推移 |
売上高 | 56,544百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 386.16円 | – | ↗︎ |
営業利益率 | 8.03% | 10%以上 | ↗︎ |
ROE | 8.93% | 10%以上 | ↗︎ |
自己資本比率 | 75.6% | 40%以上 | ↗︎ |
有利子負債比率 | 1.26% | 100%以下 | ↘︎ |
ネットD/Eレシオ | △1.7% | 低いほど○ | ↗︎ |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | 18.9%(9,855百万円) | 60%以上 | ↗︎ |
営業CF | 3,667百万円 | – | + |
一株配当 | 116円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 30.12% | 40%前後 | → |
ここまで日東富士製粉(2003)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務状況は堅実で実質的な無借金経営
- 業績はゆるやかに右肩上がり
- 製粉業自体の需要は比較的安定しており,また三菱商事が親会社で倒産リスクは極めて低い
- 業界シェア第4位と大きくない反面,外食産業への小麦粉提供等の企業ニーズに合わせた細かい事業を展開
これを踏まえて独断と偏見で日東富士製粉(2003)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

日東富士製粉(2003)の株価と日経平均株価を比較したチャートです.
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
ただ一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
食料品セクターで銘柄をお探しの方は日東富士製粉(2003)への投資を検討してみてください!
コメント