
こんにちはー!もなでーす!!
今回紹介する銘柄は東証1部上場企業の三菱瓦斯化学(4182)です!

※株式投資は必ず個人の自己責任の下で行なってください.当ブログで得た情報により読者の皆様が被った不利益に対して,当管理者は一切の責任を負いません.
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また銘柄分析にはこちらの動画を参考にしつつ,自分なりの基準も追加して判断しています.
どんな会社? 2021/12/15時点
会社概要
決算 | 3月 |
---|---|
設立 | 1951.4 |
上場 | 1954.2 |
特色 | キシレン系芳香族や機能化学品を生産。海外でメタノール合弁。半導体やスマホ向け材料に強み |
連結事業 | 基礎化学品53(3)、機能化学品45(13)、他2(0)【海外】59 <21・3> |
業種名 | 化学 |
本社 | 100-8324東京都千代田区丸の内2-5-2三菱ビル |
従業員 | <21.9>連9,925名 単2,489名(40.8歳)[年]847万円 |
株式 | 10/31 225,739千株 単位100株 [貸借] 時価総額 4,519億円 |
東経業種別時価総額順位 | 化学 時価総額順位 15/156社 |
マネックス証券「銘柄スカウター」から引用します.
三菱瓦斯化学(4182)は化学材料メーカー.基礎化学品事業(化成品,有機化学品,ライフサイエンス,エネルギー資源,芳香族化学品),機能化学品事業(無機化学品,合成樹脂,光学材料,電子材料,脱酸素剤)を展開.基礎化学品(天然ガス系化学品)からファインケミカル(芳香族化学品)・素材製品.機能化学品,特殊機能材の製造販売.主要製品はメタノール(サウジアラビア・ベネズエラに生産拠点,トップクラス),過酸化水素(世界トップ)/EL薬品,メタキシレン誘導体を中心とする特殊化学品,高純度薬品・各種エンジニアリングプラスチック材料,半導体パッケージ用BT材料,光学樹脂ポリマー,脱酸素剤「エージレス」など.売上高の最低5%をR&Dに投入(研究開発スタッフは総従業員数の約11%),自社製品を開発.メタノール燃料電池,高耐熱特殊ポリエステルの技術開発・市場開拓を推進.傘下に発泡プラスチックスのJSP<7942>(子会社),樹脂素材の日本ユピカ(2020年完全子会社化)を持つ.2015年JSP<7942>を連結子会社化.2016年日本化薬<4272>と抗体医薬品製造の合弁会社設立.2018年電力供給子会社を設立.2020年4カンパニー制から事業部制に組織変更.
取扱商品
- 天然ガス系化学品(メタノール,アンモニア,アミン系製品,メタクリル酸系製品,ポリオール類,機能性食品素材,エネルギー資源/天然ガス・地熱発電)
- 芳香族化学品(メタキシレンジアミン,MXナイロン,メタキシレン,高純度イソフタル酸,発泡プラスチック)
- 機能化学品(無機化学品,エンジニアリングプラスチックス)
- 特殊機能材(プリント配線板用材料/BTレジンプリント配線板用材料,超純過酸化水素,光学樹脂ポリマー,脱酸素剤 「エージレス」)
大株主の属性とその構成比
株主名 | 持株数(万株)・持株比率(%) |
---|---|
日本マスター信託口 | 3,060(13.5) |
自社(自己株口) | 1,769(7.8) |
日本カストディ信託口 | 1,373(6.0) |
明治安田生命保険 | 879(3.8) |
日本生命保険 | 737(3.2) |
農林中央金庫 | 502(2.2) |
AGC | 413(1.8) |
日本カストディ信託口4 | 319(1.4) |
横浜銀行 | 308(1.3) |
JPモルガン証券 | 299(1.3) |
持株数では日本マスター信託口がトップです.ほかには信託銀行や大手保険会社がランクインしています.
投資のプロである機関投資家の持株比率が高いことから市場から一定の評価を得ていると考えられます.
また自社(自己株口)が大株主であり長期に渡り業績も好調を維持しようとすると考えられます.
会社業績に関して
売上高

- 「会社がサービスや商品を提供することにより得た売上金額の総額」
- リーマンショック後からゆるやかに右肩上がり
1株あたりの当期純利益(EPS)

- 「株主が投資した株式1株あたり会社がどれだけ利益を生み出しているか」
- コロナショックで低下したが,2022年3月期はショック前まで回復予想
営業利益率

- 「売上高に対し,本業の業績によってどれだけ利益を生み出しているか」
- 営業利益率10%目前
- 化学業界で約160社中57位(2021年度)と上位ランクイン
自己資本利益率(ROE)

- 「株主が投資した資金から会社がどれだけ効率良く利益を生み出しているか」
- 目安の10%前後であり優良銘柄
財務状況に関して
自己資本比率

- 「企業の総資産に対して,返済の必要のない自己資本がどれくらいあるか」
有利子負債比率

- 「自己資本に対して,利息を支払う必要がある負債がどれくらいあるか」
- 自己資本比率は60%近くまで上昇
- 有利子負債比率はやや低水準
- ネットD/Eレシオは△0.6%(2021年3月期)と実質無借金
D/Eレシオとは,単に有利子負債比率を%ではなく倍率で表したもの.これをさらに厳密にしたのがネットD/Eレシオであり,有利子負債から現預金を引いたものを自己資本で割ったパーセンテージで表します.
例えば有利子負債が100億円あったとしても,現預金が100億円あればすぐに返済できるため,財務的には実質無借金と判断できます.
つまりネットD/Eレシオが低ければ低いほど,さらにマイナスであれば,それだけ財務健全性が高いと言えます.
キャッシュフローに関して

青:営業活動によるCF「営業活動で入ってきた現金から最終的に残った資金」
赤:フリーCF「負債の返済や株主配当,設備投資など会社が自由に使える資金」
橙:現金等「いざという時の事業拡大や不景気時のための資金」
- 営業活動によるCFがきっちり黒字
- ネットキャッシュは△74億円,ネットキャッシュ比率は△0.9%(2021年3月期)
ネットキャッシュとは,現預金と短期保有の有価証券の合計から有利子負債を引いたもの.実質的な手元資金であり企業の金持ち度合いを表します.ネットキャッシュが多い企業は株主還元を増やせる余地が大きいと考えられます.
また一般的にネットキャッシュを総資産で割ったネットキャッシュ比率が60%を超える企業をキャッシュリッチ企業と呼んでいます.
配当に関して
配当政策
配当政策に関しては2021年3月期の有価証券報告書に次のような記載があります.
当社グループは、企業価値の向上を経営上の最重要課題と位置付けています。企業価値の向上が株主をはじめとするすべてのステークホルダーの利益につながるとの考えに基づき、今後の事業展開のための投融資計画、財務健全性、将来の業績動向を総合的に勘案し、利益を内部留保と株主還元にバランスよく配分します。内部留保は、事業の拡大・成長のための投融資と企業体質強化のために充当します。配当については安定的な配当の継続を基本に業績動向等を考慮して決定し、毎事業年度における剰余金の配当回数は中間配当と期末配当の2回とすること、また、内部留保の水準と株主還元の水準を考慮して自己株式の取得を機動的に実施し、資本効率の向上と株主還元の充実を図る ことを引き続き基本方針として掲げるとともに、新たに総還元性向40%を中期的な株主還元の目安とします。
当社は、「会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の 決議によらず取締役会の決議により定める」旨定款に定めており、剰余金の配当の決定機関は取締役会となっており ます。
当事業年度の配当は上記方針に基づき決定し、当事業年度の期末配当金につきましては、1株当たり35円としまし た。当期の中間配当金は35円でしたので、1株当たりの年間配当金額は前事業年度と同額の70円となり、連結配当性向は40.4%となります。
HP- 有価証券報告書- 有価証券報告書-第75期より
「総還元性向40%」と具体的な数値を示していますが,業績によっては減配の可能性があるので注意が必要ですね.
権利確定日 2022年現在
権利付き最終日
この日までに株を購入(約定)すれば,配当金を貰う権利を取得できます.
期末配当金 | 2022年03月29日 |
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中間配当金 | 2022年09月28日 |
権利落ち日
この日以降に株を売却しても,配当金を貰う権利は取得したままです.
中間配当金 | 2022年03月30日 |
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期末配当金 | 2022年09月29日 |
権利確定日
この日に株を保有していれば,配当金を貰う権利を取得できます.
中間配当金 | 2022年03月31日 |
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期末配当金 | 2022年09月30日 |
一株配当

- 「株式1株あたりに支払われる配当金額」
- 連続非減配が続いている
- 2022年3月期の予想配当は80円と増配
配当利回り

- 「株価に対して,どれだけ配当を受けることができるか」
- 配当利回り4%台と高水準
配当性向

- 「会社が生み出した利益に対して,配当金がどれだけ支払われたか」
- 配当性向は40%前後だが安定していない
- 配当性向よりは配当額自体を維持している
配当性向に関しては以下の記事が参考になると思います.

PER・PBR
PER

- 「企業の利益水準に対して現在の株価が割高か割安か」
PBR

- 「現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安か」
2022年2月22日現在でPER 8.09倍,PBR 0.73倍,ミックス係数は5.91です.
過去10年間の推移を見ると割高とも割安とも言えない水準であり,購入が難しいタイミングです.
株主優待
三菱瓦斯化学(4182)は株主優待を出していません.
優待目的で投資する個人投資家は多いですが,私は株主還元はすべて現金で貰いたい派なので逆に好印象です.
総合評価
2021年3月期 | 値 | 目安 | 推移 |
売上高 | 595,718百万円 | – | ↗︎ |
EPS | 173.41円 | – | ↘︎↗︎ |
営業利益率 | 7.47% | 10%以上 | ↗︎ |
ROE | 6.88% | 10%以上 | ↘︎↗︎ |
自己資本比率 | 62.7% | 40%以上 | ↗︎ |
有利子負債比率 | 18.37% | 100%以下 | ↘︎ |
ネットD/Eレシオ | △0.6% | 低いほど○ | ↘︎ |
ネットキャッシュ比率(ネットキャッシュ) | △0.88%(△7,400百万円) | 60%以上 | ↗︎ |
営業CF | 55,464百万円 | – | + |
一株配当 | 70円 | – | ↗︎ |
配当性向 | 40.36% | 40%前後 | ↗︎ |
ここまで三菱瓦斯化学(4182)の銘柄分析をしてきましたが,ここで私の見解をポイントの形でまとめてみます.
- 財務状況は堅実で実質的な無借金経営に
- 業績はゆるやかに右肩上がり
- 半導体素材やMXナイロン,発泡ポリプロピレンなど世界シェア1位を誇る製品が多数あり,安定した収益性が見込まれる
- 脱炭素社会の実現は,中核事業に対して逆風となりうる
これを踏まえて独断と偏見で三菱瓦斯化学(4182)を項目ごとに5段階評価してみます.
評価 | |
会社業績 | |
財務状況 | |
キャッシュフロー | |
配当 |
過去15年間の株価の値動き

三菱瓦斯化学(4182)の株価と日経平均株価を比較したチャートです.
「株価のチャート分析はおまじない」であり投資にあたり必要ないと思っています.チャート分析よりは企業分析の方がはるかに重要です.
ただ一時的な高騰時に高値つかみしないようにだけ注意しましょう.
まとめ
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります.
高配当株投資では景気に左右されないように,セクターを分散したポートフォリオを組むことが重要です.
化学セクターで銘柄をお探しの方は三菱瓦斯化学(4182)への投資を検討してみてください!
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